
名前:砂川彩乃(仮名)
大手証券会社のカスタマーサポートとして長年勤務、生命保険会社でもキャリアを積む。その後、カスタマーサポートで養ったホスピタリティマインドと、金融業界で培った専門知識を活かして金融ライターに転身。かなりの愛猫家。証券外務員一種取得
近年、銀行を中心に「ペットローン」というジャンルのローンの取り扱いが始まったのをご存知ですか?
こちらでは、ペットローンとはどのようなものなのか・金利や審査基準など、知りたい情報をまとめて解説します。
ペットローンって一体どんなもの?
一言で説明すると『ペットを買うためのローン』がペットローンです。住宅を買うためのローンが住宅ローン・車を買うためのローンがマイカーローンと呼ばれるのと同じで、犬や猫といったペットを購入する際に使うローンのことを意味しています。
【人気の犬の平均相場表】
品種 | 価格 |
---|---|
トイプードル | 30~50万円 |
フレンチブルドッグ | 30~50万円 |
柴犬 | 15~40万円 |
ヨークシャーテリア | 20~35万円 |
ミニチュアダックスフンド | 20~30万円 |
ポメラニアン | 20~30万円 |
チワワ | 15~25万円 |
ミニチュアシュナウザー | 12~23万円 |
マルチーズ | 15~20万円 |
シーズー | 10~20万円 |
【人気の猫の平均相場表】
品種 | 価格 |
---|---|
ペルシャ | 約5~40万円 |
マンチカン | 約15~30万円 |
メインクーン | 約15~30万円 |
スコティッシュフォールド | 約10~30万円 |
ブリティッシュショートヘア | 約15~25万円 |
ベンガル | 約15~20万円 |
ラグドール | 約10~20万円 |
エキゾチックショートヘア | 約10~20万円 |
アメリカンショートヘア | 約10~15万円 |
ロシアンブルー | 約10~15万円 |
種類や血統・年齢などにもよってバラつきがありますが、上の表のように犬や猫は30万円を超える値段が付いていることも珍しくありません。人気の高い種類であれば80万円以上することもあるでしょう。また、犬や猫だけでなく爬虫類や鳥類・ウサギやフェレットなどもペットとして強い人気を誇っていて、海外からの輸入が必要な動物なら値段も跳ね上がります。
生体の代金を支払えば、それで完了ということにはなりません。飼育用の環境を整えるために、ゲージや餌なども一緒に購入する必要がある他、様々な資金が必要となってきます。特に大きな出費となりやすいのは以下のような項目です。
定期検診代……1万~3万円
トリミング……5000~1万円
※小型犬を例とした場合の平均相場です。犬種やプランなどによって差が出ます
ペットには人間のように健康保険制度で医療費が3割負担になるということはないので、全額自己負担となり金額が高額になるケースも多いとされています。
ペットの購入をメインに、他にもペットとの生活に必要な費用を分割で支払うことができるのが『ペットローン』なのです。
(ローンの契約先によって、どこまでの利用をペットローンに充てることができるのかは異なってきます。生体の購入代金以外のペットに関する費用をペットローンで支払いたい場合にはローン対象となるかどうか確認しましょう。)
ペットを病院につれていくお金に困っている人はこちらのページを参考にしてください。
一般的なローンとの違いは?
少し前までは、あまり耳慣れなかったペットローンですが、需要の増加に伴い取り扱いをする金融機関は増えてきています。各種ローンを取り扱っている銀行で、ペットローンを探してみましょう。流通系大手のAEONグループである「イオン銀行」や静岡県の地方銀行である「スルガ銀行」などで、現在ペットローンの取り扱いがあります。それぞれの銀行によって申し込み方は異なりますが、インターネットや実店舗での申し込みが可能です。
また、ペットショップ自体がペットローンという制度を設けているというケースもあります。気になるペットを見つけた時に、その場で申し込みをすることができるというのがメリットです。オリエントコーポレーションやセディナの多目的ローンを、ペットローンとして使う形で店頭受付を行っているペットショップがありますが、中小規模のペットショップでは取り扱っていないことも多いです。
ペットローンが一般的なカードローンと異なる点としては、借入回数が1回のみであることが挙げられます。カードローンやクレジットカードであれば、限度額の範囲内で繰り返し借り入れ・返済を行うことができます。しかし、ペットローンや多目的ローンは借り入れが1回だけであり、あとは返済のみです。追加でお金が必要な場合には、再度申し込みをして審査を受ける必要があります。
これは、一般的なカードローンは借りたお金の使い道がフリーであるのに対して、ペットローンはペットにかかる費用のためという目的のためにお金を借りるサービスだからです。
【ペットローンとカードローンの違い】
ペットローン | 一般的なカードローン | |
---|---|---|
お金の使用目的 | ペットにかかる費用 | フリー |
借り入れ回数 | 1回のみ | 限度額内なら何度でも |
金利 | 低め | 高め |
審査スピード | おそめ | はやめ |
ペットローンの申し込み方法や審査基準
銀行ペットローンの申し込みは、基本的にはインターネットからの申し込みとなります。事前に窓口にて、内容について相談をすることもできますが、24時間受付可能であるWEBからの申し込みを行う人が多いでしょう。
名前や住所・勤務地などの情報を入力し、本人確認書類の提出もWEB上へのアップロードで完了します。金融機関によっては、契約書類を郵送する手続きが入ることがありますが、来店の必要はないでしょう。
審査に通過することができた場合は、金融機関からその旨の連絡が来た後に資金が振り込まれる形です。この申し込みから融資までの日数は、1週間前後が目安となるでしょう。
ペットショップで多目的ローンを申し込む場合は、店舗タブレット端末などを使って必要事項を入力して手続きします。銀行ペットローンと同じ様にその場で即日回答がもらえるものではありませんので、審査結果を待って購入という形になるでしょう。(その間、購入希望のペットについては「ご成約済み」「家族が決まりました」という形で取り置きしてもらうことが可能な店舗もあるようです。)
審査に関しては、ペットローンは一般的な銀行カードローンや消費者金融のカードローンと比べると『難易度が高い』と言えるでしょう。
次の項でも触れますが、ペットローンは金利が低く、借りる側にとってこれは大きなメリットです。しかし、貸す側にとってみれば大きな利益が見込めるものではありません。
返済不能、貸し倒れといったリスクのことも考えれば、おのずと審査は厳しくなります。また、利用を希望する金額が高くなればなるほど審査の難易度も上がってくると考えられます。
審査基準については他のローンサービスと同じく明らかにされていませんが、やはり確実に返済が見込めるだけの、安定した収入があることは必須条件でしょう。
学生でも、アルバイトを続けていて毎月安定した収入があるなら審査に通過する可能性はありますし、逆に無職の人が審査に通る可能性はかなり低いと見た方がよさそうです。
ペットローンの審査についてはこちらのページでさらに詳しく解説しています。気になる人は読んでみてください。
ペットローンの金利は安い?
ペットローン最大のメリットは『金利が安い』という点です。ペットローンの金利の平均は4.0%~9.0%となっています。多目的ローンは銀行のペットローンよりは少し高くなりますが、それでも5%~13.5%と比較的低い金利で利用することができます。
一方で、銀行系カードローンの平均金利は14%・クレジットカードのリボ払いで購入した場合の平均は15%・消費者金融からお金を借りる場合の平均は18%と、どれもペットローンと比べると金利が高いことがわかります。
また、クレジットカードでの分割払いも1回あたりの返済額は安くなりますが手数料が高くつくため、トータルで見るとペットローンよりも高くなってしまいます。
なので、「ペットを購入するため」「ペットの医療費などペットに関する費用を払うため」という理由が明確なのであれば、銀行ペットローンを利用することが一番、金利・手数料で損をしないのです。
ペットローンのメリット・デメリット
『金利の安さ』の他にも、『限度額の高さ』もペットローンのポイントの一つです。上述したように、ペットの生体代金を支払うことはもちろんですが、維持管理費・医療費・予防接種など様々な面でお金がかかってきます。これらを潤沢にカバーするために、1万円~800万円という幅広い限度額が設けられています。
一方で、ペットローンのデメリットとしては、借りるまで時間がかかるという点があげられます。人気のある色や種類の動物は、入荷してすぐに売り切れてしまうというケースも少なくありません。気に入った子を見つけたらすぐにでも家族として迎え入れたいと思うのは当然であり、はやる気持ちのなか、申し込みから融資までの時間がかかることを大きなデメリットと感じる人は多いでしょう。
長らく審査で待たされ、結果は不合格だった挙句、意中のペットは売れてしまった……そんな最悪のパターンすら考えられます。
そのため、審査がスピーディーで融資に積極的であり、お金の使い道も自由であることにメリットを見出して消費者金融のカードローンを利用する人も多くいます。
ペットを迎え入れるという目的は同じでも、重視する条件は人それぞれですから、自分が納得できるサービスを選択するのが一番でしょう。
まとめ
ペットローンについて、お分かりいただけましたでしょうか? ペットショップに行き、自分好みの子を見つけた時、お金がないから……と諦めたくないですよね。
「ペットを飼いたい、でもお金が」と悩んでいる人は、是非各種ローンの利用を検討してみてはいかがでしょうか?